顕彰事業

(2007年)
第50回 十大新製品賞 本賞

新製品技術

形彫り放電加工機「AGシリーズ」 (ソディック)

 キャッチフレーズは「ゼロ消耗」で、放電加工による電極の消耗を極力抑えたのが特徴だ。実際のグラファイト電極の消耗率(工作物除去体積に対する電極消耗体積の比率)は0.06%以下で、限りなくゼロに近い。

 「AGシリーズ」を金型製作に活用すると、従来2―3本必要だった電極が1本で済むようになり、生産コストを低減できる。電極交換の手間や時間も省け、加工時間を短縮できるメリットもある。電極の消耗による精度の狂いも生じにくく、ナノメートル単位(ナノは10億分の1)の精度が求められる超微細加工で威力を発揮する。

 ほかにも毎秒1ギガビット(ギガは10億)の高速シリアル通信技術を採用し、駆動性能を高めた。3次元CAD/CAMのデータを直接、数値制御(NC)装置に取り込めるなど、現場作業の効率化につながる機能もある。

 操作性も特徴だ。新型キーボードや視認性の高い配色とした操作パネルなど、細部にわたって使いやすさを追求した。
 日本の金型産業浮上の一翼を担う放電加工機と言えそうだ。

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