顕彰事業

(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞

工業製品機械デザイン

プレス金型向け超高精度・工程集約対応門形マシニングセンタ MCR-S (オークマ)

 大型プレス金型などの加工用。往復段差0・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)と高品位で、平均連続切削送り速度がX・Y軸で毎分20メートル、Z軸で同10メートルと高速。3次元測定器の約5倍の精度で機上測定ができる「3Dキャリブレーション」、年間の床面水平度の変化などによる加工空間のずれを診断する「精度安定診断機能」を搭載。

開発者コメント

商品開発部 次長 袴田 隆永

1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
 自動車用プレス金型の製造プロセスでは仕上げ加工後の金型を熟練技能者によって手磨き修正するのが常識でした。
 自動車デザインの多様化、差別化が進み、デザイナーのこだわりを忠実に再現するためには、手磨き修正をしてはならない。デザインした形状が崩れ、面白みがなくなってしまうという指摘をうけた。
 そこで手磨き修正をなくすという目標を掲げました。

2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
 手磨き修正をなくすため、指令通りに動作し、長時間の加工においても熱変位を抑制できる高速、高精度な工作機械にする必要がありました。これまで培ってきた基本設計を一から見直しました。
 またオリジナルの加工プログラムにはCAM変換時の僅かな乱れが含まれるため、プログラム指令通りに動作するだけでは、加工目に筋ができてしまう。加工プログラムを自動補整し高面品位加工を実現するHyper-Surfaceを開発しました。開発にあたってはお客様の加工プログラムにはどのような乱れがあるかを把握するため、お客様工場をまわり加工プログラムと加工結果をひとつずつ確認させていただきました。そのことによって本当に加工したい形状へ補整することができるようになりました。

3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
 MCR-Sはプレス金型の製造プロセスを革新的な超高精度加工と精密計測の融合、超工程集約でデザインする目的で開発しました。デザイナーのこだわりを忠実に再現できる最適な機械設計、熟練技能者に依存することなく機械が自律的に最適化する知能化技術を搭載しています。今後も高品位なプレス金型製造プロセスにおける課題解決をお客様とともに進めていきます。

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