顕彰事業
(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞
工業製品機械デザイン
アグリロボコンバイン DR6130A (クボタ)
位置偏差制御、方位偏差制御の2種類の制御バランスを条件によって変化させ、コンバインの目標ライン通りの走行を達成した。空走距離が少なくなる走行ラインを自動判断するアルゴリスムを開発し、効率的な作業ルートを実現。もみ重量を測定する収量センサーを用いて、タンク満量となる刈り取り可能距離も予測する。
開発者コメント
収穫機技術部 S8チーム 渡邉 俊樹 (わたなべ としき)
1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
現在日本では農業従事者が減少しており、労働力の不足が深刻な問題となっています。またコンバインの運転は車速調整、旋回操作、作業部の調整、走行経路の判断、安全監視など同時に多くのことを行わなければならず、匠の技術が必要です。そのため誰でも簡単に収穫作業を行うことができる機械が必要と考え、開発がスタートしました。
2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
コンバインの旋回は左右のクローラの車速に差をつけて行います。滑りながら旋回する特性上、田んぼの状態が変わると、同じ車速差でも同じように旋回することはありません。そのため様々な田んぼで繰り返し試験を行い、どんな田んぼであっても目標通り旋回することができる制御を作り込みました。
3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
自動運転という技術はまだ生まれたばかりの技術です。将来農機の自動運転はどうあるべきか、ということを考え、お客様の声を大切にしながら更に良い機能へと成長させていきます。このたびの受賞を励みに、今後もお客様や日本農業の課題解決に寄与できるよう製品の開発に努めてまいります。