顕彰事業

(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞

工業製品機械デザイン

自動運転システム ADS EVO (堀場製作所)

 実験室で自動車の燃費や排ガスを評価するシャシーダイナモ試験において、人間のドライバーと同じように試験車両を運転し、試験を自動化する。各国規制が定めた指示車速通りに運転する高い追従性を持ち、バラつきのない試験結果が得られる。24時間連続や低温・高温環境での試験も可能。車両への搭載性も大幅に向上した。

開発者コメント

モビリティ & エナジー事業本部 アプリケーションデザイン部 副部長 塩見 和広
Sales Promotion部 Product Promotionチーム 古川 和樹
コーポレートコミュニケーション室 プロダクトデザインチーム チームリーダー 島 充子

1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
 『ヒト』と『クルマ』の変化です。『ヒト』の変化に対しては、少子高齢化やベテランの引退に伴う人員不足とダイバーシティの推進に対応し、すべてのユーザーに対する使いやすさと省力化を目指しました。『クルマ』に関しては、100年に一度の大変革期と言われるCASEに対応し、従来の主用途であった排気ガスや燃費の評価・認証試験以外の多様な試験をカバーしています。

2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
 試験車両への装置の搭載作業は従来から改善要望が多くありました。特に装置の固定は確実で簡単にできる方法を検討し、チャイルドシートの固定用のISO-FIXアンカーを活用するアイディアを発案しました。(特許出願済)これにより、搭載時間を従来製品から半減させると共に、軽量化やシンプルな装置構造を実現。使いやすさと省力化を劇的に改善しています。

3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
 本製品は、機能・デザインの両輪で、ユーザーには従来以上にいろんな試験フィールドで、より喜んでお使いいただけるよう心を砕いてきました。『ヒト』と『クルマ』が大きく変化する中で、車両開発や評価における自動化と試験精度向上による効率化をご一緒に実現する一助として、是非本製品を選んでお使い頂きたいと思います。

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