顕彰事業
(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞
工業製品機械デザイン
人協働ロボット MOTOMAN-HC10DT 防じん・防滴仕様 (安川電機)
高い防じん・防水対策を施し、従来難しかった切削油や水を浴びる環境下での作業の自動化を実現した。水洗いでき、これまで衛生面から導入が難しかった食品や医薬品の工場で使用できる。ロボット先端部に駆動用コネクターを配置したことで外部の配線が不要となり、安全でスマートなシステム構築も可能にした。
開発者コメント
ロボット事業部 ロボット技術部 自律技術開発課 外林 杏子
1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
人協働ロボットのうち、今後成長が予測されるマシンテンディング用途や食品向けを含むマテリアルハンドリング用途に使用するために、「防滴性の確保」と人協働ロボットとして重要になる「使いやすさ」の両立が課題でした。
2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
「防滴性の確保」としてシール構造の追加を行いました。これによりロボット全体でIEC規格IP67構造を採用し、液体・粉じんがかかる環境でも使用できるようになりました。さらに「防滴性の確保」と「使いやすさ」の向上の両立として、ロボット先端部に直接コネクタを接続できるようにしました。カメラ等の通信に使用できるイーサネットCat6クラスのケーブルが内蔵できているのは弊社だけの技術になります。
3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
MOTOMAN-HC10DT防じん防滴仕様は、人協働ロボットの「使いやすさ」を向上し、さらにロボット全体においてIEC規格IP67を実現した世界初の人協働ロボットです。これにより切削油や水などの液体や粉じんがかかる環境でも使用できます。また食品用途への対応も実施しており、様々な場面で皆様のニーズに応えることの出来る製品となっていますので、ぜひお使いいただきたいです。