顕彰事業

(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞

工業製品機械デザイン

LBCテクノロジー搭載ファイバーレーザマシン『VENTIS-3015AJ』 (アマダ)

 レーザー光の軌跡を自動操作する「LBCテクノロジー」を世界で初めて搭載し、ファイバーレーザー加工の一層の高速切断と低ランニングコスト加工を両立した。材料下面までの最適な入熱により、ステンレスの窒素切断において、切断速度が従来比最大約3倍に向上。1メートル当たりの加工コストも同最大76%低減できた。

開発者コメント

ブランク制御開発部 部長 小林 栄貴
レーザプロセス要素部 部長 舟木 厚司

1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
 ファイバーレーザは、板金の切断加工においてCO2レーザと比較して加工速度が優れる一方で、切断面の粗さやドロスの発生等に課題があった。アマダの「ENSIS-3015AJ(6kW、9kW)」は、軟鋼中厚板の高速かつ高品位な切断加工を両立させ、高い評価を受けている。これに伴い、ステンレスやアルミに対しても同様に、高速で高品位な切断加工を求めるお客さまの声が高まっていた。

2. 課題解決までのご苦労と、ブレークスルーのポイントをお教えください。
 加工に最適な光の特性を分析、追求し、レーザ光の加工技術を進化させたビーム制御技術「軌跡ビームコントロール(LBC)テクノロジー」を開発した点。ファイバーレーザのビームの軌跡を自由自在に操作し、無限に軌跡のパターンを作り出すことができる。レーザ市場において革新的な技術であり、製品名には新しい潮流(風)を作るという意味を込めている。

3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
 アマダは、直接販売・直接サービスを展開しており、私たち技術者は、お客さまから生の声をいただくことで、商品開発へつなげています。私たちの一番のモチベーションは、マシンを購入いただいたお客さまから喜びの声をいただいた時です。これからも、「お客さまとともに発展する」を胸に刻み、モノづくりを通じて社会とお客さまに貢献してまいります。

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