顕彰事業
(2020年)
第50回 機械工業デザイン賞IDEA 入賞
工業製品機械デザイン
くし刃ATC搭載 主軸台移動形CNC自動旋盤 Cincom L20 ATC (シチズンマシナリー)
ベストセラー機「Cincom(シンコム)L2012型」をベースに、くし刃型刃物台上に工具交換可能なツールスピンドルを搭載した。12本の工具を収納できる円盤型マガジンを採用し、自動工具交換装置(ATC)アームを介さずに工具を受け渡しする構造を採用。これにより、工具交換時間の短縮と、機械サイズの小型化を実現した。
開発者コメント
開発本部 開発部 製品開発1課 リーダー 小竹 恭太
1. 開発の発端となった最も重要な課題はどのようなことでしょうか。
米国を中心とする医療/歯科部品業界より、斜め加工用ドリルとミーリング工具本数のさらなる増加要求が出てきました。そのため、従来機の操作性はそのままに、主軸台移動形CNC自動旋盤(以下 主軸台移動形自動盤)として求められるコンパクトな機械サイズと加工時間の速さを出来る限り保ちながら、B軸加工に対応した工具本数を増やすことが重要な課題でした。
2. 課題解決までの苦労とブレークスルーのポイントを教えてください。
主軸台移動形自動盤として求められる機械サイズの維持と、加工時間を左右する工具交換時間の短縮を両立することが大きな壁でした。そこで、くし刃刃物台に搭載したB軸付き工具主軸の旋回動作と、可動式工具マガジンを組み合わせたユニークな工具交換動作を行うATC (自動工具交換装置)を開発することで課題を解決しました。
3. 技術者として、ユーザーに向けたメッセージをお願いします。
主軸台移動形自動盤の強みである加工時間の速さと、ATC搭載B軸ターニングセンタの強みである汎用性の高さを兼ね備えた「くし刃ATC搭載 Cincom L20-ATC」によって、成熟した自動盤業界に一石を投じることが出来たと自負しています。
今後もユーザーのみなさまに驚きとワクワク感をお届けできるような新しい試みに挑戦していきますので、是非ご期待ください。